レポート
イベントレポート ―マンガナイト5周年記念イベント

書店バックヤードツアー〜マンガナイト5周年記念イベント #1

『マンガナイト5周年記念イベント』の第1弾は、書店をめぐるツアーです。10月11日(土)の午前8時半。朝早い時間に、11名のマンガ好きの方が集まって下さいました。当日は予想されていた台風も来ず、秋のさわやかな気配に包まれてツアーがスタートしました。

まず最初はJR五反田駅近くのあゆみBOOKS五反田店へ。あゆみBOOKSは都内に9店舗、他県に5店舗を構える新刊専門の書店です。今回訪問する五反田店は周辺に会社が多いため、男性のサラリーマン客がよく訪れるそうです。では、さっそく行ってみましょう!!

あゆみBOOKS五反田店

今回店内を案内してくれたのは、太田和成副店長です。太田さんはマンガナイトのメンバーでもあり、各方面でマンガの目利きとして活躍しています。

太田さん

太田さんの案内で開店前のお店に入ると、まず目に飛び込んできたのはマンガの山。その日の新刊を種類ごとに分けていきます。マンガや雑誌はシュリンカーという機械にかけてビニールで保護します。その後、本を並べて開店前の準備が終了となります。

平積みの漫画シュリンクする太田さん

今回は特別にバックヤードを見せていただきました。そこには本が入ったダンボールや封筒、POPなどが置いてありました。太田さんによると、ここには主にこれから売る本と、返本する本を置いているとのこと。新刊はここから売り場に出したりするそうです。

店内を回った後は太田さんと参加者との質疑応答タイムに入りました。ここでは主に「どんなマンガが売れるか」ということと「書店員さんの本の選び方」に対しての質問が多く寄せられました。まず売れるマンガについてですが、太田さんによると、「中身が一目でわかるような表紙の作品」が多いそうです。四コママンガが表紙に描いてあるものや、グルメマンガなどがその代表例ということです。
書店員さんの選書方法は、主要なマンガ雑誌の連載や映像化される作品を押さえておくほか、マンガの入荷時に軽く目を通したりして選ぶことが多いそうです。
おすすめのマンガについては、『今日の漫画』(史群アル仙)、『ムシヌユン』(都留泰作)、『魔法使いの嫁』(ヤマザキコレ)などを挙げていただきました。

魔法使いの嫁

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、次の場所に行く時間が来てしまいました。
書店員さんに話しかけて、この作品を置いて下さいというリクエストもできるそうですので、お客としてもっと書店を活用し、コミュニケーションを深めていければお互いにとって良いのではないかと思います。太田副店長、ありがとうございました!

全体の写真

次に行く場所は本の街、神保町にあります。書店ツアー一行はまず、JR五反田駅から電車を乗り継いでJR御茶ノ水駅に移動しました。御茶ノ水駅に到着後、徒歩で次の目的地「中野書店」を目指します。「神田古書センター」の2階にあるというのですが… あ、見つけました!

古書センター外観

ビルの階段を上ると、そこにはマンガの楽園が広がっていました! 古いマンガや雑誌がきっちりと収められています。本が年代順や作家順に分かれていて、探しやすいのも魅力です。
ツアー参加者はみんな仲良く話しながら、お目当ての品を物色しています。あんな雑誌、こんな本、棚の隙間にはゆかいなグッズ…。マンガ好きにはたまらない場所と言えるでしょう。中にはポスターや貴重な原画も飾られていて、目を輝かせる人続出です。

店内1店内2店内3

レジカウンターの前では店員さんが作業を進めながら、気さくにお話して下さいました。若い人があまり来ないという話があり、「いやいや! ここにいる人間は全員読みますよ!」と全力で訴える場面も。
また、お店の奥に短編集と題した本が並んでいたのですが、これはなんとお客さんがマンガを自分で切り貼りして製本したものだそう! 愛の深さがしみるエピソードです。

書店員さん短編集

気が付くと時間が経っていて、そろそろ次の本屋に行く時刻になってしまいました。中野書店さん、ありがとうございました!

続いては本日最後となる書店へ。マンガの品ぞろえに定評がある「コミック高岡」です。
書店の入口に貼り出された、新刊案内に書いてあるマンガが既にマニアックで、否が応にも期待が高まります。

コミック高岡外観

1階は一般向けマンガ、地下1階は主に女性向けマンガの売場になっています。まずは1階から見てみましょう。マンガ専門店なので、どこの棚にもマンガがずらり。書籍も扱う書店と違っていて新鮮です。

そして地下1階へ。女性向けのありとあらゆるマンガが並んでいます。男性にもオススメの人気作品あり、BLも同人誌も揃っています。全ての本が等しく並んでいて、とても好感が持てました。

ここでコミック高岡の店長さんが登場。マンガナイト代表の山内も合流し、質疑応答が始まりました。店長さんは主にコミック高岡流「書棚の作り方」についてお話して下さいました。

店長と山内さん

店長さんの場合、夜寝る前に考えて、読んで面白かったものや映像化する作品を並べるそうです。この辺りはあゆみBOOKSの選書とも共通しています。そしてここからが工夫のポイントで、たとえ新刊が出ない時でも、前と後を並べ替えたりするそうです。本を移動させることで、一見無関係の作品同士がつながりを持つようになるという効果が生まれるということでした。

棚

またコミック高岡の大きな特徴の一つは、マンガにビニールをかけずに置いている所です。これはお店のポリシーに基づくもので、読者に中身を見て納得してもらいたいという思いがあるそうです。マンガには10年20年読まれ続ける作品がたくさんあり、お客さんが納得して買われたものはずっと売れ続けるとのこと。

平野耕太先生の作品が一番売れるというユニークなコミック高岡。マンガ好きの精鋭であるアルバイトさんたちが書棚をこまめに変えるそうですので、来店の際には宝探しをするように書棚をチェックしてみて下さい。

店内の様子

本当にたくさんの質問に答えていただきましたが、そろそろこのツアーの終了の時間となってしまいました。コミック高岡さん、どうもありがとうございました!

楽しかった書店ツアーもここで終了です。最後に参加者の皆さんに記念品を贈呈し、解散となりました。改めて各書店の方に御礼申し上げます! そしてご参加頂いた方々、どうもありがとうございました!!(kuu)

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