記 事

マンガを持ってアキバに出よう 脱出ゲーム×マンガの可能性

こちらのコンテンツは、PingMagからの許諾を得ての転載となります。
元ページの記事はこちら。元ページの英文翻訳記事はこちら

マンガを読む人なら誰でも、「マンガの世界に入り込んで遊べたら」と思うことがあるだろう。本やマンガ好きの夢のひとつだ。これを実現したのがSCRAP主催のリアル脱出ゲーム「書泉リアルゲームブックシリーズ vol.2 漫画迷宮からの脱出」。ゲームブックを片手にゲームを進めていくにつれて、マンガとリアルの世界の境目が曖昧になり、マンガ表現の奥深さや書店のおもしろさを実感できる。
会場は秋葉原駅近くの書泉ブックタワー(東京・千代田、6月1日(日)まで)。

real-escape-games01

参加するにはまずゲームブック(税抜き1200円)を購入する。

real-escape-games02

ブックはリフィル式で、ゲーム内容や進め方もマンガで描かれる。

real-escape-games03

real-escape-games04
書店で1冊のマンガを手にした参加者が、マンガの中に閉じ込められたという設定。マンガに隠された秘密を探り当てて脱出するため、ゲームブックを片手に書店内などのヒントを探すゲームだ。

real-escape-games05

ゲームブック片手に店内をうろうろ

real-escape-games06

ゲームを進めるときは店員さんやほかのお客さんの迷惑にならないように

書店を舞台にした脱出ゲームは2013年の「リアルゲームブックシリーズ vol.1 本屋迷宮からの脱出」に続き2回目。今回マンガを題材にしたのは「舞台が秋葉原の書店だから」(SCRAP)とのこと。さらに何ができたらマンガ好きは楽しくて、作品に入り込めるかを考えたという。

筆者も体験したのだが、マンガと脱出ゲームは想像以上に相性がいいことを実感した。(結果として謎を解くところまでは至らなかったが)

脱出ゲームの肝は、プレーヤーを閉じこめた場所に、いかにうまくヒントをちりばめ、プレーヤーに発見させて謎を解かせることにあると考える。

real-escape-games07

プレーヤーは店内でゲームブックを熟読することになる

これをマンガ及び書店という場所で考えると、ヒントを潜り込ませる要素がとても多いのだ。物語と絵で構成されるマンガには、文字、枠線、コマ割りと様々な表現方法が隠されており、ゲームではこれらがフル活用されていた。マンガ好きなら行って損はしないだろう。おもしろくも奥が深いマンガ表現の世界にどっぷりつかりながら、自分の普段のマンガの読み方を気づかされることになるのだ。ある参加者は「マンガの背景がリアルの書店っぽくて、より作品に没頭できた。自分とマンガの距離が近くなった気がする」と話す。

SCRAPは今後、マンガ「名探偵コナン」や「DEATH NOTE」、「進撃の巨人」をテーマにした脱出ゲームも計画している。こちらも期待が持てそうだ。

ゲームを進める時間をさらに楽しくするのは書店という場所そのものだ。普段書店でよく目にするものもゲームの展開の鍵になっている。マンガや本が好きなら、自分の好きな漫画家の新作告知のポスターやサイン色紙のところで足を止めてしまい、肝心のゲームを進められないかもしれない。

real-escape-games08

ついつい店内のポスターなどに目がいってしまう

real-escape-games09

見ているだけで楽しいマンガ売り場だが、謎解きのために泣く泣く離れることに

またゲームの展開上、書店内のいろいろな売場に足を運ぶことになる。すると普段はあまり行かないジャンルの売場で思わぬ出会いが待っている。「趣味人専用」をうたう書泉ブックタワーの店内は、ちょっとしたエンターテインメント空間。例えば5階には、鉄道関連の雑誌や書籍だけでなく、なんと三陸鉄道やJR九州のグッズが並んでいるのだ。

real-escape-games10

書店で売っているのは本や雑誌だけではない

real-escape-games11

マニアにはうれしい、フリーペーパーコーナーも

今回の脱出ゲームに時間制限はないため、ヒントの場所以外にも安心して立ち寄れる。もちろんルール上、書店の外に出て食事をしたり休憩したりしても問題ない。

今年の春は、マンガを持ってアキバに出てみてはどうだろうか。(bookish)

d's JOURNAL の一覧

  • d’s JOURNAL「『ダイの大冒険』アバン先生に学ぶ、経験者の新たな活躍方法」を執筆
  • d’s JOURNAL「「普通の人」代表のポップが後輩になったら?『ダイの大冒険』に学ぶ育成術」を執筆
  • d’s JOURNAL「なぜ『阿・吽』は起業家の支えになるのか。孤独に耐える力と演出力を学ぶ」を執筆
  • d’s JOURNAL「『阿・吽』が描く空海・最澄の生き様から、起業家が学ぶべき3つの視点」を執筆
  • d’s JOURNAL「『おおきく振りかぶって』に学ぶ、問題解決力が高いチームのつくり方」
  • d’s JOURNAL「水と油を融和する人材配置で、まだ世にないものをつくり出す『映像研には手を出すな!』(3)」を執筆
  • d’s JOURNAL「『おお振り』に学ぶ、ビジョンを達成するために個人のやる気を引き出す方法」を執筆
  • d’s JOURNAL「新しいツール、どうやって現場に導入する?『映像研には手を出すな!』(2)」を執筆
  • d’s JOURNAL「『おおきく振りかぶって』で学ぶ、挑戦できる環境づくり(1)」を執筆
  • d’s JOURNAL「クリエイターを活かすマネジメントとは。『映像研には手を出すな!』(1)」を執筆
  • DOTPLACE の一覧

  • DOTPLACE連載「未明のマンガ論―マンガは拡張する3.0」第4回 後編
  • DOTPLACE連載「未明のマンガ論―マンガは拡張する3.0」第4回 前編
  • DOTPLACE連載「未明のマンガ論―マンガは拡張する3.0」第3回
  • DOTPLACEにてシリーズ連載「未明のマンガ論―マンガは拡張する3.0」第1回公開
  • 連載 「マンガは拡張する[対話編+]第6回 島田英二郎×山内康裕:「マンガ」は拡張するのか?」
  • DOTPLACE「マンガは拡張する[対話編+]第5回「田中圭一×柿崎俊道×山内康裕:兼業マンガ家・兼業編集者 」が公開
  • 野田彩子×豊田夢太郎×山内康裕:マンガは拡張する[対話編+]
  • DOTPLACE『菊池健×椙原誠×山内康裕:Webマンガと市場構造[前編]「電子書籍の普及でマンガ全体の売上は上がっている。その一方で……」』が公開
  • DOTPLACE『北本かおり×ドミニク・チェン×山内康裕:二次創作とライセンス[後編]「海賊版を禁止して広がるのを止めてしまうのか、『いいから出しちゃえ』って進んだ人が結局最後に勝つのか。」』が公開
  • DOTPLACE『北本かおり×ドミニク・チェン×山内康裕:二次創作とライセンス[前編]「ただコンテンツを眺めるだけじゃなく、自由に使うことによって文化が成長する。」』が公開
  • マンガは拡張する の一覧

  • マンガは拡張する[対話編]加藤隆生(株式会社SCRAP代表)×山内康裕 3/6「新しく作るより、既にあるものを書き換える。」
  • マンガは拡張する[対話編]加藤隆生(株式会社SCRAP代表)×山内康裕 2/6「世の中は出会いに左右されている。」
  • マンガは拡張する[対話編]加藤隆生(株式会社SCRAP代表)×山内康裕 1/6「『リアル脱出ゲーム』はほとんどの作品に対応できるハードなんです。」
  • マンガは拡張する[対話編]山内菜緒子×山内康裕3/3「ラクガキ大会で、改めてマンガを好きになってくれたのが嬉しくて。」
  • マンガは拡張する[対話編]山内菜緒子×山内康裕2/3「仕事系マンガに宿す『情報の置き土産』。」
  • マンガは拡張する[対話編]山内菜緒子×山内康裕1/3「作家と読者を、編集者がどれだけきれいにつなげるか。」
  • マンガは拡張する[対話編]3/3「マンガ家からすると『140文字も書ける』って素晴らしい。」
  • マンガは拡張する[対話編]2/3「『東京トイボックス』の頃にクラウドファンディングがあったら。」
  • マンガは拡張する[対話編]小沢高広(うめ)×山内康裕 1/3「作家が編集者を選ぶ時代が来る?」
  • 第2回「インターネットとマンガの現在(前編)」
  • greenz.jp の一覧

  • 本を通して生まれる、新たなコミュニケーションとは? 選書のプロと一緒に、これからの本について考えてみよう(後編)
  • 選書することに、どんな意味があるの? 選書のプロと一緒に考える“本を通じた場所づくり”のヒントとは(前編)
  • マンガを使った新しいマネタイズとは? 内沼晋太郎さんと語る、マンガの未来(後編)
  • マンガの新たな楽しみ方とは? 内沼晋太郎さんと語る、マンガの未来(前編)
  • マンガナイト×greenz.jpの新連載「マンガ×ソーシャルデザイン」開始!
  • NumberWeb の一覧

  • Number Web「体操になぜ採点があるのだろう。 漫画『ムーンランド』で考える。」を執筆
  • NumberWeb「『スポーツとしての大食い』の魅力。漫画でわかる意外な緻密さと奥深さ。」を執筆
  • NumberWeb「天下一武道会に闇のゲーム、リング。 漫画に学ぶ“新スポーツ”の発明法。」を執筆
  • NumberWeb「あだち充漫画のキャッチャーの魅力。 「太めで長打力」からイケメンへ。」を執筆
  • NumberWeb「スポーツマンガと舞台、謎の好相性。 テニミュとペダステの成功の理由。」を執筆
  • NumberWeb「スポーツマンガはなぜリアル化した? 2010年代の潮流を探る3つの視点」を執筆
  • PingMag の一覧

  • マンガナイトセレクト ジャケ買いマンガ5選~日本マンガのブックデザイン~
  • マンガナイトセレクト お仕事マンガ5選~マンガでわかる日本のお仕事事情~
  • マンガを持ってアキバに出よう 脱出ゲーム×マンガの可能性
  • マンガナイトセレクト お花見マンガ5選:「花」から感じる日本の美意識
  • 新たなマンガの生まれる場所
  • BEST of 2013 #4:マンガナイトセレクトの海外にも紹介したい漫画10選
  • 日本人よ、もっとマンガを知れ:ガイマン賞に迫る
  • マンガの未来と過去をつなぐ場所「立川まんがぱーく」
  • マンガ→アートの原点を探る旅
  • 最新技術で楽しむ「藤子・F・不二雄」の世界
  • 日本発 〇〇マンガ5選 の一覧

  • マンガナイトセレクト ジャケ買いマンガ5選~日本マンガのブックデザイン~
  • マンガナイトセレクト お仕事マンガ5選~マンガでわかる日本のお仕事事情~
  • マンガナイトセレクト お花見マンガ5選:「花」から感じる日本の美意識
  • BEST of 2013 #4:マンガナイトセレクトの海外にも紹介したい漫画10選
  • ROOMIE の一覧

  • 「ROOMIE」マンガ紹介連載 vol.6公開
  • 「ROOMIE」マンガ紹介連載 vol.5公開
  • 「ROOMIE」マンガ紹介連載 vol.4公開
  • 「ROOMIE」マンガ紹介連載 vol.3公開
  • 「ROOMIE」マンガ紹介連載 vol.2公開
  • STUDIO VOICE の一覧

  • 『聲の形』(大今良時)……正解を模索する曖昧な往来
  • 『文豪ストレイドックス』(朝霧カフカ 春河35)……原典へと誘う“キャラクター化”の効果
  • 『王様達のヴァイキング』(さだやす)……起業家、投資家、ハッカー。現実に肉薄する描写
  • 『ケンガイ』(大瑛ユキオ)……SNS以降、人間関係の着地点はどこにあるのか
  • 『放課後さいころ倶楽部』(中道裕大)……熱気を帯びつつあるアナログゲーム界隈
  • 『ドライブご飯SAグルメ日記』(末広有行)……サービスエリアという「一期一会」の楽しみ
  • 『flat』(青桐ナツ)……“オープン・パーソン”の平熱感
  • 『さよならソルシエ』(穂積)……「与えられなかったもの」の処世
  • 『Baby,ココロのママに!』(奥山ぷく)……「虚親化」という、現代の新たな現象をめぐって
  • 『限界集落温泉』(鈴木みそ)……オリンピックと併走する日本の現実
  • その他 の一覧

  • ヌーラボブログ「新チームの季節到来!チームワーク・コミュニケーション・プロジェクト管理を学べる漫画10選」総評を寄稿
  • 作品レビュー“『聖闘士星矢』の忘れられない名勝負:後編 不可欠な仲間の絆”を寄稿
  • 作品レビュー“『聖闘士星矢』の忘れられない名勝負:前編「少年マンガらしさ」の体現”を寄稿
  • マンガ論争11に寄稿しました
  • 【アニメ!アニメ!】話題の有名人もゲスト声優に、「ONE PIECE」劇場3作品の意外な裏側
  • 【アニメ!アニメ!】国民的代表作『ONE PIECE』はデータで見てもスゴかった!
  • とっぴぃ の一覧

  • とっぴぃ豊島の選択にて『働きマン』レビュー
  • とっぴぃ豊島の選択にて『ミノタウロスの皿』レビュー
  • とっぴぃ 豊島の選択にて記事連載スタート
  • まんが王国ラボ の一覧

  • まんが王国ラボにて『山本耳かき店』(安倍夜郎)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『彼女のやりかた』(田所コウ)他レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『アダムとイブの楽園追放されたけど…』(宮崎夏次系)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『金魚屋古書店』(芳崎せいむ)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『バベルハイムの商人』(古海鐘一)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『着たい服がある』(常喜寝太郎)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『いちばんいいスカート』『アドレスどちら』ほか谷和野作品レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『サヨナラコウシエン』(天久聖一)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『エロイカより愛をこめて』(青池保子)レビューを執筆
  • まんが王国ラボにて『妻に恋する66の方法』(福満しげゆき)ほかレビュー記事を執筆
  • クリスクぷらす の一覧

  • クリスクぷらす にて「モブキャラなんてこの世に誰もいない『ぷらせぼくらぶ』」を執筆
  • 「通信制高校ってどんなところ? 『中卒労働者(ワーカー)から始める高校生活』」を執筆
  • シミルボン の一覧

  • シミルボンにて『自虐の詩』(業田良家)レビューを執筆
  • シミルボンにて『珈琲いかがでしょう』(コナリミサト)レビューを執筆
  • シミルボンにて『私は主人公』(桐島いつみ)レビューを執筆
  • シミルボンにて『特務戦隊シャインズマン』(橘皆無)レビューを執筆
  • シミルボンにて『どうにもこうにも』(日下直子)レビューを執筆
  • シミルボンにて『地球へ…』(竹宮惠子)レビューを執筆
  • シミルボンにて『滝田ゆう落語劇場』レビューを執筆
  • シミルボンにて『ツンドラブルーアイス』レビューを執筆
  • シミルボンにて『おのぼり物語』レビューを執筆
  • シミルボンにて『いつか咲く花』レビューを執筆
  • マンガ・アニメ3.0 の一覧

  • マンガ・アニメ3.0「マンガミライハッカソン」プレトーク「マンガのシンギュラリティ」レポート
  • マンガ・アニメ3.0「『グルメマンガ』の世界――“豊食”と“飽食”の日本を記録したメディア」
  • マンガ・アニメ3.0 「拡大する「2.5次元」の世界」
  • マンガ・アニメ3.0「マンガを「学び」のツールに ――フランスにおけるマンガ事情レポート2019」
  • マンガ新聞 の一覧

  • マンガ新聞にて『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『さんかく窓の外側は夜』(ヤマシタトモコ)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『スケッチー』(マキヒロチ)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『恋と国会』(西炯子)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『PSYCHO-PASS』レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『鬼滅の刃』レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』(オノ・ナツメ)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『江戸時代の経済入門!その弐』(アイタロー)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『ハイスクール・オーラバスター アーケイディア』(杜真琴、若木未生)レビューを執筆
  • マンガ新聞にて『十二国記』シリーズ(小野不由美)レビューを執筆
  • 東京マンガレビュアーズ の一覧

  • 東京マンガレビュアーズにて『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平)レビューを執筆