真実を隠そうとする妨害に、元レーサーの技術で立ち向かう

20世紀が生んだ最大の移動手段、自動車。しかしその歴史は自動車事故の増加とも背中合わせだ。責任や保険金でもめることが多い事故の現場で、わずかな物証を見つけ出し、推理を元に事故の真の原因を突き止めていく――それが主人公、環倫一郎の仕事「交通事故鑑定人」だ。真実を隠そうと環を妨害する事故の当事者に対しては、元レーサーの技術で立ち向かう。レーサー時代の事故のおかげで、運転技術に自信を失っていたが、ファンのおかげで徐々に自信を取り戻し、ル・マンの24時間耐久レースに挑戦する。環は交通事故鑑定人とレーサー、どちらの未来を選ぶのか―――登場人物らが乗り回す「フェラーリ360」など名車にも注目したいところだ。1996年~2003年に「スーパージャンプ」(集英社)で連載。現在はJコミでも読める。

文=bookish
1981年生まれ。「ドラえもん」「ブラック・ジャック」から「週刊少年ジャンプ」へと順当なまんが道を邁進。途中で「りぼん」「なかよし」「マーガレット」も加わりました。主食はいまでも少年マンガですが、おもしろければどんなジャンルも読むので常におもしろい作品を募集。歴史や壮大な物語をベースにしたマンガが好み。マンガ評論を勉強中。マンガナイト内では「STUDIOVOICE」のコラムなど書き物担当になっています。マンガ以外の趣味は、読書に舞台鑑賞。最近はサイクリングも。