ヒナまつり

ヒナまつりは、ヤクザの新田さんと突如異世界から現れた謎の超能力少女ヒナを中心とするギャグマンガだ。といってもその実態は新田さんによるヒナのお世話日記。ヒナが引き起こす数多のトラブルにもへこたれず、ヤクザとしても出世していく「いい人」新田さんを思わず応援してしまう。新田さんとの共同生活を通しての「非常識人」ヒナの成長にも注目だ。クラスメート、組員、ヒナを捕まえに来た超能力少女たちと周囲を彩る面々も個性派ぞろい。癖の強いキャラクターたちが生み出すテンポの良い笑いは、何回読んでも噴き出さずにはいられない。くれぐれも電車の中では読まれませんよう。

文=青柳拓真
1992年生。10代の多くをシンガポールで過ごす。何度も読み返してきた漫画は「ジョジョの奇妙な冒険」、「鈴木先生」、「それでも町は廻っている」、「三月のライオン」、「魔人探偵脳噛ネウロ」など。漫画の面白さって何なんだろう、「漫画」ってどう定義できるんだろう…とか色んな作品を読んで考えるのが楽しい。オールラウンドなマンガ読みを目指して最近は恐る恐る少女漫画に挑戦中。