たそがれたかこ

バツイチ、40代、老いた母と二人暮らし。一人娘は摂食障害に陥り、学校に通えなくなった。そんなたかこさんの悩み多き日々が、軟派な美中年居酒屋店主との出会い、そして若きバンドマンへの突然の恋によって、音を立てて動き出す! 女性の生き方をテーマにしたマンガは近年枚挙にいとまがありませんが、主人公の立つ苦境の生々しさにおいて群を抜いている本作。生き方が上手くない自覚がある、毎日の生活が時折修行のように感じられる…そんな人には、特に響くのではないでしょうか。たかこさんが初めてライブハウスに足を運ぶエピソード(実在の某ライブハウスが取材に全面協力!)に、微笑ましく思いながらも目頭が熱くなりました。

文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。