宇宙を駆けるよだか

「顔が良いほうが得をする。」誰もが一度は聞いたことがある言葉ではないだろうか。そして、性格に関係なく顔で物事は決まってしまうのかと疑問に思ったことはないだろうか。この漫画は大胆にもそのような疑問をテーマとし、読者それぞれ何かしらの答えが出せるようなラストとなっている。基本シリアスな雰囲気で物語は進んでいくが、絶妙なバランスで恋愛の要素もあり、気負わず読むことができた。繊細なタッチの画風に油断していると、人間の毒々しい感情の見事な描写に、ゾッとすることも多々あった。非常にテンポ良く進むので、一味違う少女漫画を読みたいときに気軽に読んでみては。

文=山口麻衣
1996年生、長野県出身。漫画のジャンルは特にこだわらずに読むが、中でも少女漫画をよく読む。少年漫画はバトル物でもスポーツ物でも、とにかく主人公が熱い性格なものが好き。「となりの怪物くん」「電撃デイジー」「ONE PIECE」「アイシールド21」は何度読み返したかわからない。マンガナイトに入り、読んだことのないジャンルの漫画をたくさん知り、漫画に対しての興味が尽きない毎日である。