ピコピコ少年SUPER

作者の溢れんばかりのゲーム愛を過去の体験から描かれていて、ゲームも人を救えるんだと思えちゃいます。また、思わずほくそ笑んでしまう懐かしの題材を切り口に、インドア派のR35世代にとっては、当時リア充だった男子にはわからなかったであろう少年の頃の繊細な心の葛藤を思い出させる作品です。あと、ハイスコアガール事件の時の作者の心境も描かれていて、こちらも全編をとおして最後に読むと妙に腑に落ちます。

文=山内康裕
1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了(MBA in accounting)。 2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。 イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。 また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、“マンガ”を軸に施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。 主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭2014」「日本財団これも学習マンガだ!」「アニメorange展」等。 「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、「国際文化都市整備機構」監事も務める。共著に『『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)』、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)』等。