高校まで義務教育となった近未来の日本のような所=極東の、「普通」からこぼれてしまった問題児ばかりが集まる高校を舞台に、彼ら魂をかけて送る奇妙で熱い学園生活の中のドラマを描く。なんだかうまくいかない感に苛まれていた大学時代に読み、火傷しそうな、血が出そうな「青春」の物語に圧倒され、救われた気がした。マンガってこんな表現もできるんだ、と思わされた作品でもある。作中の「『死にたい』は『生きたい』だ」「冬のように生きても、春は来る」といった台詞は、つらい時の心にいつもこだまする。
2018年10月10日

文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
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